2007年03月14日
KSR-2の古事記:トラブルシューティング その1

クランクについて話しましたので、ついでにKSRのトラブルでは「焼き付き」と共に最も多い、
クランクケースの「ドレンボルト:ネジ山破損」について紹介したいと思います。
過去、何人もの方が失敗し、各言う私も経験した、ドレンボルトのナメ・・・
ソコには、構造的欠陥、設定ミスなど、整備スキルだけではない≪トラブル要因≫がいくつも潜んでいます。
まず、ボルトの設定が悪すぎます。
ドレンボルトのサイズは、『M10-P.1,5 ヘッド14mm』
これはまさしく、標準工業規格品サイズ。
聞えは良いですが、『P.1,5 の頭14mm』なんて、鉄の塊に鉄板を貼り付けるような、重作業に用いられるサイズであって、モーターサイクルの、しかもアルミのケースに取り付ける物としては、あきらかに不適合。
モーターサイクルに取り付けられる物としては、『M10-P.1,25 ヘッド12mm』辺りが普通です。
(ですからボルトがナメても田舎のホームセンターでは、なかなか見つからない事が多いと思います。)
そして、工業規格品である14mmヘッドや、スタンドを掛けると斜めに位置する穴方向なども、ナメる要素が高くなる一方で、「ココが外れると、オイルが漏れる・・・」という心理から、工具を握る手にも力が入り・・・
ググッ・・・・ ニュル・・・ 「あ・・・(ナメた・・・・)」 (T‐T)シクシク ・・・となる訳です。
しかーし! ナメる理由は、コレだけでありません!!!
さらに追い討ちを掛けるのは、「クランクケース:ネジ山不足」です。
通常、ボルトが正しく締結されるには、そのボルト径の80%以上が≪必要締めしろ≫と言われています。
簡単に言うと、必要十分な長さとは、ボルトの径より長いことが前提とされています。
そんな中、KSRのボルト長さは「15mm」 先端はテーパーになっているのでマイナス1mm。
ガスケットを入れるので、さらにマイナス1mm。 ・・・という事は、初めからこのボルトはギリギリなサイズ。
そこへ更に追い討ちを掛けるのが上記画像。
クラッチ側から見たドレンボルトですが、厚みがあるように見えますが、上半分は大胆に鋳ぬきされており、ケースの取り付け部も加工が入っている為、ネジ径80%は・・・・???
これじゃあ、ナメますよ。
私の2号機は新車で≪初めてドレンボルトを緩めた時≫から、ネジの緩み方がオカシかったので、
おそらく『生産組み立て時』にナメ掛けたのだと思われます。
その時、先人から教えていただいた手法は、なるほど!と思われる対策方法でした。
( 続きを読む と表示されていたらクリックしてください。)→
先人の知恵、それは≪ネジ山の再切削≫です。
最初の画像では、もうネジ穴は無いように見えますが、下の画像を見てください。
ケースの内側から見ると、まだ数mmネジ山が残っているように見えます。
(っていうか、まだ余裕じゃん?)

しかし、見える部分は≪完全なネジ山≫ではなく、2番タップを掘り込んだ先端部分が残っているだけです。
そこで、3番タップを掘り込み、奥まで≪ネジ山を切る加工≫を施してあげるんです。
ここで注意ですが、未加工のまま長いボルトを入れてしまうと、ボルトの先端が潰れてしまい、
ボルトどころかクランクケースが潰れてしまい【取り返しのつかない状態】になってしまうので、
絶対にしてはイケマセン。

加工の内容ですが、機械加工や金属加工を行っている方なら理解できると思いますが、
ネジ山をタップで切る場合、2本ないし3本のタップを用いて、1番で粗加工、2番で入口~中間までを仕上げ、3番で最後まで仕上げます。
しかし、用途により「取り付けるボルト」が短い場合、2番タップを掘り込んだだけで事が足りるので、製作コストを下げる為それ以上加工を行わない場合も多いんです。(これはK社やKSRだけじゃなく、他機種・他メーカーも同じ。)
ですから、先人はこの2番ネジに3番タップを掘り込むことで、より長いボルトを入れるという方法を取ったんです。
しかし、画像でも分かるとおり、コチラ側も鋳抜きされた≪3/5程度のネジ山≫なので、完璧にネジ山を形成できるという訳では無いのですが、少しでも締結を強くするためには、この部分が重要な役目を担うのです。
そして、この加工は、非常に高いスキルが要求されます。
ナゼなら、ネジ山の部分が少ないので初めの掛かりが浅く、深さも目視できないので手探りで行わなくてはならず、かつ、車載状態では地面に対して≪斜めに掘り込む≫事になるので、考えるより加工ミスの可能性が高いんです。
この加工は、失敗=クランクケース破損に直結するので、失敗はとても痛い出費になることは間違いアリマセン。
普通なら、そんなの「ヘリサート加工」しちゃえばイイんじゃないの? と思われる方も多いでしょうが、
実はこの部分の「ヘリサート加工」は、3番タップを掘り込むより難しく、かつ条件的に厳しいので、出来る限りヘリサートは避けたい処置です。
何故厳しいのか? ヘリサートは保険じゃないの?
と、さらに理解できない人も多いと思いますが、ヘリサートは『初めにヘリサートタップを切る』事から始めるので、上記の鋳抜きの部分がある為、ヘリサート自体が締結されないんです。
っつー訳で、加工した後の切粉の処理などを考えても、DIYでチャレンジするには、ちょーっと高いハードルが待っていますね。 順当に、この加工はスキルの高い有識者に頼むのが≪妥当≫でしょうね。
次は準備する『ボルト』です。
掘り込んで増えた部分は約8mmですが、3番タップとはいえ先端の部分は完全なネジ山にはなりません。なので、加工バラツキや、ガスケットの分も入れ、手に入りやすいサイズとして5mm長い「首下20mm」のボルトを用意すると良いでしょう。場合によっては、ガスケットで調整することも必要かもしれません。
ここで注意しなくてはならないのは、
よくカスタムで「ステンレスボルト」に交換することを見受けられますが、この部分に関しては、使用は避けて下さい。
ボルトの締結は、お互いのネジが引っ張り合うことで座面が固定されているので、鉄より硬いステンボルトに交換すると、引っ張りの応力が「クランクケース」側に偏ってしまいます。ただでさえ「鋳抜き」によって中途半端なネジ山なので、応力が集中してしまうと即座に山が破損してしまいます。
ですから、使用するのは普通の鉄ボルト。しかも「一般に手に入るボルト」で結構です。

首下20mmのボルトと新品ガスケットを入れた状態を、ケース内側から見た状態です。
純正よりも厚めのガスケットを選んだので、まだまだ余裕があるように見えますが、先ほども書いた通り、3番タップでも一番奥まではネジ山が切れないので、この辺が妥当な線だと思います。
加工が済んでしまえば「大した事はない」と感じるでしょうが、実際はそうでもないんですよ~(笑
それでも、ネジ山をナメてしまう前に、この加工を施しておけば、それこそ整備ミスの「保険」になるんじゃないでしょうか。

最初の画像では、もうネジ穴は無いように見えますが、下の画像を見てください。
ケースの内側から見ると、まだ数mmネジ山が残っているように見えます。
(っていうか、まだ余裕じゃん?)

しかし、見える部分は≪完全なネジ山≫ではなく、2番タップを掘り込んだ先端部分が残っているだけです。
そこで、3番タップを掘り込み、奥まで≪ネジ山を切る加工≫を施してあげるんです。
ここで注意ですが、未加工のまま長いボルトを入れてしまうと、ボルトの先端が潰れてしまい、
ボルトどころかクランクケースが潰れてしまい【取り返しのつかない状態】になってしまうので、
絶対にしてはイケマセン。

加工の内容ですが、機械加工や金属加工を行っている方なら理解できると思いますが、
ネジ山をタップで切る場合、2本ないし3本のタップを用いて、1番で粗加工、2番で入口~中間までを仕上げ、3番で最後まで仕上げます。
しかし、用途により「取り付けるボルト」が短い場合、2番タップを掘り込んだだけで事が足りるので、製作コストを下げる為それ以上加工を行わない場合も多いんです。(これはK社やKSRだけじゃなく、他機種・他メーカーも同じ。)
ですから、先人はこの2番ネジに3番タップを掘り込むことで、より長いボルトを入れるという方法を取ったんです。
しかし、画像でも分かるとおり、コチラ側も鋳抜きされた≪3/5程度のネジ山≫なので、完璧にネジ山を形成できるという訳では無いのですが、少しでも締結を強くするためには、この部分が重要な役目を担うのです。
そして、この加工は、非常に高いスキルが要求されます。
ナゼなら、ネジ山の部分が少ないので初めの掛かりが浅く、深さも目視できないので手探りで行わなくてはならず、かつ、車載状態では地面に対して≪斜めに掘り込む≫事になるので、考えるより加工ミスの可能性が高いんです。
この加工は、失敗=クランクケース破損に直結するので、失敗はとても痛い出費になることは間違いアリマセン。
普通なら、そんなの「ヘリサート加工」しちゃえばイイんじゃないの? と思われる方も多いでしょうが、
実はこの部分の「ヘリサート加工」は、3番タップを掘り込むより難しく、かつ条件的に厳しいので、出来る限りヘリサートは避けたい処置です。
何故厳しいのか? ヘリサートは保険じゃないの?
と、さらに理解できない人も多いと思いますが、ヘリサートは『初めにヘリサートタップを切る』事から始めるので、上記の鋳抜きの部分がある為、ヘリサート自体が締結されないんです。
っつー訳で、加工した後の切粉の処理などを考えても、DIYでチャレンジするには、ちょーっと高いハードルが待っていますね。 順当に、この加工はスキルの高い有識者に頼むのが≪妥当≫でしょうね。
次は準備する『ボルト』です。
掘り込んで増えた部分は約8mmですが、3番タップとはいえ先端の部分は完全なネジ山にはなりません。なので、加工バラツキや、ガスケットの分も入れ、手に入りやすいサイズとして5mm長い「首下20mm」のボルトを用意すると良いでしょう。場合によっては、ガスケットで調整することも必要かもしれません。
ここで注意しなくてはならないのは、
よくカスタムで「ステンレスボルト」に交換することを見受けられますが、この部分に関しては、使用は避けて下さい。
ボルトの締結は、お互いのネジが引っ張り合うことで座面が固定されているので、鉄より硬いステンボルトに交換すると、引っ張りの応力が「クランクケース」側に偏ってしまいます。ただでさえ「鋳抜き」によって中途半端なネジ山なので、応力が集中してしまうと即座に山が破損してしまいます。
ですから、使用するのは普通の鉄ボルト。しかも「一般に手に入るボルト」で結構です。

首下20mmのボルトと新品ガスケットを入れた状態を、ケース内側から見た状態です。
純正よりも厚めのガスケットを選んだので、まだまだ余裕があるように見えますが、先ほども書いた通り、3番タップでも一番奥まではネジ山が切れないので、この辺が妥当な線だと思います。
加工が済んでしまえば「大した事はない」と感じるでしょうが、実際はそうでもないんですよ~(笑
それでも、ネジ山をナメてしまう前に、この加工を施しておけば、それこそ整備ミスの「保険」になるんじゃないでしょうか。

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壊れたとこ、あちこち【みしぇるずばっくやーど(仮出張所)】at 2007年06月05日 00:22


