2008年08月16日

ULTRA-SE 4Vヘッド考察



昨日は明智ヒルトップサーキットに行って、『侍!ST道場』で猛特訓を受けてきました。

僕は体重差と技量不足を補うため『SS仕様』での参加しましたが、
それでも塾長やライム夫さんよりタイムが遅かったです(爆)


う〜ん。
月末の美浜レース…タイム出るだろうか(--;)


そんなんで、今日の午前中は爆睡かましてて、
午後から『積み降ろし』と『KITACOヘッドの分解』を行っていました。


色々と考えさせる部分も多く、
これをベースに鈴鹿ミニモトで『楽しくレースが出来るマシン』にするには、
非常に高い技術と相当な出費を覚悟しなければならない……
そう感じました。


詳細・考察は、コチラ↓

まず初めに断っておきますが、私はKITACO社と協力関係にも敵対関係にも無く、
あくまで「一人の技術者」として「部品」に接した感想を述べるものであり、
決して販売促進や営業妨害をする意志はありません。

同様に、ライバル他社との関係も一切ありません。



まず、外見から。

左の2バルブSEと比べても、チェーンホールや排気ポート周辺の冷却フィンが増えています。

あとで説明しますが、上げた性能に対して冷却が追い付いていない証拠で、
吸気側にフィンを設けなかったのは、温度バランスが悪くなってシリンダーヘッド全体温度は下がっても、熱分布の偏りが発生するのを嫌ったためでしょうか。

そして、意外なほど「燃焼室が小さくコンパクト」です。
指定では60Φピストンを組む事になっていますが、それより小さいボアでも十分に納まるサイズです。
吸気・排気の外側には、スキッシュエリアが大きく設けられていますが、
2V-SEよりも深い燃焼室なので、ヘッド単体の圧縮はそんなに高くないんじゃないかと思います。
(燃焼室単体容積は、未計測)

*ちなみに、2V-SEにはKITACO製とは違う「ビックバルブ」が組み込まれています。



排気ポート側
シリンダーフィンは大きくなりましたが、純正ヘッドや2V-SEにあった排気ポート周辺の「冷却穴」がありません。ヘッドの大きさを変えること無く「1ポート2バルブ」を実現し、なおかつヘッド剛性を保つためには、穴を開けるとこが出来なかったのでしょう。故に、排気ポート周辺や燃焼室側の温度を下げる事が厳しくなったので、フィンを大きくしたと考えられます。



吸気ポート
インマニ取り付け位置を某T社と同じように、2箇所設けています。
理由も同じように、純正同様の前方吸気と後方吸気の選択を選べるようにしたためでしょう。
排気側同様に、ポート周辺の冷却穴が開いていません。
同じようにスペース的に厳しく、型抜きも出来なかったんだと思います。




プラグ周辺。
2V-SEを見なれた私には、殆ど無いに等しい「冷却穴」です。
1枚目の比較写真を見ればわかりますが、2V-SEよりも深い燃焼室になっているので、
結果カム軸との距離が狭くなってしまったため、大きく広げる事が出来なかったのでしょう。
もちろん4V化したため「空間が狭くなった」というのもあります。




カムカバー側
他のヘッドには見られない「大きな冷却フィン」が独特な雰囲気を出しています。
でも、ヘッド下側(画像左側)にある「オイル戻し通路」がもの凄く小さい!!!

性能に影響しないから関係ナイじゃん・・・と思う人も多いでしょうが、
オイルによる「バルブの屈伸ロス」は、なかなかバカにできません。

増えた動弁系を潤滑したオイルが、純正の半分以下のオイル通路で「戻り切れる」でしょうか??
HONDA系横型は、専用のオイル戻しがケースまで貫通してるのにね。。。



カムカバーといえば、付属で「重くてダサい」カバーが付属されていましたが、
タペットカバー同様に「専用ガスケット」をメンテ&チェックの度に交換しなくてはいけないので、
付属のカバーは使いません。
そのままノーマルでも良かったのですが、同デザインで無塗装シルバーの「KLX-110純正品」を使用します。武ヘッドを使っている人も、わざわざ「ペイントリムーバー」を買わなくても、それ以下の値段でカバーが買えるのでお勧めですよ。





外から見える中で、最も気ななった部分は、排気ポートから見える「バルブガイド」
なんと、見た目でもハッキリと解るくらい「打込み時に削り取れたアルミ」が付着しています。

熱冷間打込みではなく、両方ともドライ状態で圧入されたんでしょう。
アルミ・・・とは、勿論ヘッドのガイド受け内側が削り取られた物です。

まあ、寸法を緩くして数時間でガタガタになるヘッドもあるくらいですから、
それよりは寸法を詰めたかったんでしょうけど、ゲロって削られているなんて。。。。残念です。


ついでに、ポートの形状についてですが、4Vにしてセンターリブになった訳ですが、
ウルトラSEの特徴でもあった「バルブガイドへ向かうリブ=フィレット形状」はどうしちゃったんでしょう??

まあ、4V化してバルブシート直後のポートを「オール手修正」で削っている所を見ると、
やはり鋳造する時の問題で叶わなかったんでしょうか。。

排気ポートはいわゆる「ハート型」とか「8の字型」と言われる、左右別ポート理論の形状。
どうせなら、もっと上向きに、センターリブも出口近辺まで延ばしてほしかったな。




吸気ポートは、モンゴリ用DOHCヘッドに見られた「楕円ポート」ではなく、一般的な丸ポート。
こちらも、もっと上向きに、左右に広く、下側は広げすぎない「D形状」で良かったんじゃないかな。
センターリブももう少し延長してほしかった気がします。

吸気側のガイドにも、打ち込み時のアルミが付着しています。





次に、1カム2Vを実現する「4V専用ロッカーアーム」
バルブを押す方はシッカリとした肉厚を確保していますが、スリッパー側(カム山を追従する方)は他のモデルと比べても「薄っぺらい」です。
3.5mmバルブを2本押すぐらいの強度・剛性は確保できている・・・という事でしょうか??
あと数ミリスリッパー側は厚く、ロッカー側は幅を広げて厚みを薄くして欲しかったな。。。

でもですね、良い所もあるんです。
後発メーカーらしくロッカーアームの内側にオイル溝を切ってあり、
純正やT社ヘッドで問題になっている、ロッカーシャフトのカジリ対策を行っています。

ロッカー周辺の潤滑信頼性を上げて、カジリやロスが減る事を期待しちゃいます。

どうせなら、シャフト貫通式のオイル通路を新設して欲しかったな。。。。

う~ん自分で掘るか。




お待ちかね。
バルブを外そうと思ったら、普通サイズのコンプレッサーじゃヘッドに当たってしまうので、
10年以上前に「CBR250R」をメンテナンスする時に買った「HONDA純正SST」を使用しました。

ね♪ リテーナーにピッタリでしょ?
こうやってシッカリ外側を保持しながら、真っ直ぐにスプリングを縮めないと、
クリアランスが狭いので、すぐヘッドを傷つけてしまいます。


それでも、ヘッドに対して色々な所がギリギリのクリアランスです。



バルブスプリングシートは、
ステムシールとのクリアランスがギリなんで、非常に取りにくい(抜けにくい)ので、
どうしても取りたいとき以外は、深追いしない方が無難です。

ステムシール自体は、比較的「オイルリーク」が多いタイプでした。



バルブを取って見ても、非常に「手加工」が多いポートだという事が解ると思います。
(だったら、もっと美しく理想的な形状にしてよ~!!)




外したバルブ。
相変わらず「KITACOっぽい」、肉厚な重い、カットが単調なバルブです。

インテークは、左からSE-4V用、SE-2V用、2V用MDFバルブ
左と中央が、同じクオリティの元に作られたバルブであるという事が解ります。

排気は逆に右がSE-4V用、SE-2V用、MDFバルブです。
こちらも同様。もうすこし、流速安定化とか軽量化とか考えて作って欲しいです。。。。

ついでなので、自宅にある色々なバルブと比べようかと思いましたが、
意味が無いのでやめました。



その他の情報
吸気・排気バルブの大きさは、他社の横型DOHCヘッドに組み込まれているバルブより「0.5mm~1.0mm大きいサイズです。
4Vヘッドが来てから、DOHCヘッドやD社のOHC-4Vとかのスペックが気になりだしました。。。(笑


このKITのタペットクリアランスは、アウターシム式です。
KITACO専用品じゃなくとも、YZ250Fに使われているサイズと同サイズのシムです。
レーサーベースの4気筒モデルに使われているサイズと同じなんで、流用できる機種は多いと思います。




以上、画像不足・データ不足なのはご勘弁を。

後半、解説が短いって??

もう眠いんだよ~  う~








この記事へのコメント
こんばんは(^^)
コメントありがとうございました!
冷却装置(霧吹き装置)は少し効果ありました(^^;
お盆も終わり暑さも落ち着くのでもう大丈夫かなと思います。
@#44さんは流石ですね!
プロの技術屋さんがエンジンをいじると(^^)
勉強になります!
4ストも面白そうですよね♪
エイプかKSR110欲しいな~お安く(^^;
Posted by KSRB1 at 2008年08月17日 22:26
こんばんはー!!

今日あたりは猛烈な暑さは影をひそめ、すこしだけ過ごしやすくなりましたね。

KSR110・・・イイですよ~

ApeやXRは人気車ですから、いまだ高額取引されていますが、
KSR110は、お手頃な価格も増えてきましたよ!

乗るとね~

2ストとは違う、楽しさがあるんですよ!!

マメにGooバイクとかチェックしてみて下さい!!
ではでは。
Posted by KSR@#44 at 2008年08月18日 21:09
練習、お疲れさまでした!
また連絡ありがとうございます。
ちょっと色々忙しくて行けませんでしたが、また誘ってくださいね(^^

4バルブ、出てるんですね!
これ使って新しいEgつくられるんですか!?
なんか楽しみですねー(^^

ネットショップ441、開設おめでとうございます♪
進みましたね、確実に~☆

あるふぁさんトコも明日からですし、いー感じです(^^)V
Posted by オクムラ at 2008年08月18日 23:23
1カム4バルブ、HARUも欲しい・・・

タイヤマハのスパークってマシンも同じだ。
このヘッド、MIOにも搭載してるし、KSRも見た事ある。

現在、行き詰ってるのでHARUも4バルブ化にチャレンジしたくなった。

4ストの改造、何にも知らないHARU、何時も参考にしてます。
Posted by HARU at 2008年08月19日 01:50
◆オクムラさん

こんばんはー

練習会in明智・・・・この日も暑かったんですが、楽しかった!!
ヘタレな僕は、暑い昼間の走行はキャンセルして、
朝夕の2本のみ走行をミンナに付き合わせてしまいました(爆

>4Vヘッド
ホントは年明けには届く予定だったのに、すっかり忘れた頃に届いて、ビックリしています。

天邪鬼な僕は、あえて反主流のK社2V&4Vを自主開発していきます。

目標は、ストレートはSTR号より速かった「川崎軽工業車」かな(笑


◆HARUさん
どもども!!
僕だって、いつも「Made in Tahiland」に拘ったHARUさんのチューニング、楽しみに見てますよ~(^0^)/

今回は、あんまり突っ込んだ解説じゃなくて、スイマセン・・・(^^;)

>4バルブ
KSRは、H社やY社製エンジンと違い、スタットボルトが正方形じゃないから、流用による4バルブ化は難しいですよね~

それでもタイ人チューナーなら、何とかしてしまうはパワーは凄いっす(笑

日本人って、けっきょく「セオリー」どうりにしか動けない悲しい性を持ってますから、「とりあえず、やっちゃえ!」って形にしてしまうパワーだけは見習いたいなと思います。本当に(笑



あと、
M嬢や屋台のギャルネタも大好きなんで、画像UPが増えて嬉しいです(^^)
Posted by KSR@#44 at 2008年08月19日 20:06
いいないいな!! 落ち着いたら自分もいろいろ買って・・・(笑)

お祝いのコメントありがとうございました。 いつのまにかネットショップ開設されていたんですね!! おめでとうございます。

お互い頑張りましょうね!!


HARUさん、 僕もいつも見てますよ~、なんか日本も昔はこうだったんだろうなぁと、うまくいくかどうか考えるよりも、まずは形にしてしまうパワー、僕も見習いたいなといつも思います!! 本当に(笑
Posted by あるふぁ at 2008年08月19日 21:50
あるふぁサン

KITACOのSE-4Vヘッドは、このタイミングで来るとは思ってもみませんでした(爆

2V-SEも製作中なので、同時進行は厳しいのですが、
どちらも「これでミニモト出たい!」って人も居るので、
コソっとテストして、良く出来た方を何らかの形でレースデビューさせたいですね。

ホントは、OVフレームも欲しかったのですが、ナカナカね・・・(^^;)


>ネットショップ
一緒に行う予定だった人が長野に引っ越してしまったので、
手配・発送・確認など、全て自分で行う事になりましたが、
お取引商品、オリジナルパーツなど、随時UPしていこうかと思っています。

これも、ホントはKITACO-4Vの「当初の販売予定時期」と同じくらいにスタートする予定だったんですけどね~(汗
Posted by KSR@#44 at 2008年08月20日 00:39